12月14日

 

喋るだけ喋った最後にコートを着ながら「あの、帰り際にこれが本題なんですけど、ちょ〜ふあん」と漏らすと、口角をニョッと吊り上げてから「だと思います、うん、そうだと思ってたし、そうだよねえ」と言われた。「ま、でも大丈夫なんですけどね」「うん、そう言うだろうとも思っていたよ」そう言われたかっただけなので、とりたてて改善案もないまま光原社のくるみクッキーをもらってほどよくご機嫌になって、帰宅。稲垣吾郎のTVにVTRで映っていたことと、住職にFacebookで美しい日本語で話す女性だった、と褒められていたことが発覚する。わたしの知らないところにわたしがいる。

 

別にいま飲まなくてもいいな、と思いながらチャイをいれて、ダークラムを垂らして飲んだ。ラムのゆっくり捻るような酔い方。あの時の気だるく張りつめた気分、脳みその浸透圧がぴりっと、して、あんまり快くはなかった。思い出せないこと、というのは正確には、ふいに思い出してしまうけれど輪郭が浮かんだ時点で煙を充満させてしまうようなあれこれの出来事なんだけど、そうやって煙の中に隠しているうちにこのごろほんとうに思い出せなくなってきた。わたしが気にかけていることをわたしよりも気にかける人はいないのだから、なんとなくたのしかったことや返さなければいけないご恩以外は忘れてしまってもいいなあ、と思う。

 

ミドリにラインすると、いまぼーっとラジオ聴いてるよ、と言うので、それはいい夜だね。と送った。いい夜。たしかにわたしはあなたよりも寒いところに住んでいるけれど、同じ夜を吸い込んで、同じ島に浮かんでいるので、平気。なんかそういう気分だな。温泉の神様みたいなひかりの反射を眺めてしまってから、たいへん穏やかな気持ちでいる。水の揺らぐ影がいちばん好きなひかりで、いちばん好きな影だよ。光は愛で愛は光で、それこそが本当のことだってnegiccoも言ってます。

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 ミドリがわたしのことを、かわいいねえ、というたびに、わたしのこころの中に飼っているくらげがポコポコ増えるし、うさぎが大きめに跳ねる。かわいいおばあちゃんになりたいな、25歳から性格は顔に出るらしいから、せめて笑っていたい、ふくふくとした、ご利益のありそうな顔に。

 

 

へこんでいるまみちゃんをここぞとばかりに励ます。お酒を飲みながら泣くと、頭蓋骨に熱が溜まるよねえ。大丈夫だよ。わたしもまみちゃんが机の上のラナンキュラスの写真送ってくれたから大丈夫になったし。しじみのお味噌汁飲むといいよ、ファミマのがおいしい。

 

のどかから届いた大きなクリスマスカードを部屋に飾った。絵や詩の中で永遠に降り続ける雪はあるのかな。人に見られていないときの絵や詩の中で、その雪は降り続けるのか、一時停止なのか。

 

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雪、すきだな。ゆるいホイップクリームっぽい。雪も、雪の降るここも、雪のあまり降らないそっちも、すきだな。それって全部じゃん。