12月28日

「仕事してると一年が飛ぶようでしょう」と、同じ鏡台で化粧をしながら母がが言った。うん、はやい。眉を描く。「よくがんばったんじゃないの、8ヶ月」母はおでこにファンデーションを塗っている。うん、がんばった。チークは笑顔の頬骨の上に乗せる。

 

忘年会はお寿司屋さんだった。えらい役職のみなさんは、必ず話の中で「みなさんのおかげで」と言った。みなさんのおかげで、と、本当に思っていることがわかって、敬意があるなあ、と感動した。人生初忘年会なんです!と打ち明けると、それならきちんと手本を見せなきゃな、と上司たちは笑い、コップのビールはどんどん増えて、いつのまにか一番えらい人とキューブリックの話をしていた。遊んで暮らしていた時に見たものや聞いたものが教養という形でいまのわたしを助けてくれるものだなあと思う。生麩の乗った茶碗蒸しを食べながら、引き続きなんの居心地の悪さもなく上司たちとたのしくお酒を飲んで、ビンゴはブービー。かわいそうだから工藤ちゃんに大きい景品あげよっか。いいんですいいんです、みなさんに忖度しているので。あはは。あべどりのチキンカレーのレトルトセットを貰った。

 

どうして大人は年を忘れたがるのだろう、と思っていたけれど、忘れたいことが増えてこそ、大人になったってことなのかもな、とか、ぼんやり思いながら駅まで小走りで向かった。もうあまり後ろを振り向かない日記を書きたいな。淡々と。来年は。

 

 

帰省した弟が迎えにきてくれた。運転がわたしよりも上手い。2人とも成人して大人の兄弟になったもんね。無口な弟がふいに、雪、ぜんぜんないね。と話しかけてくる。おとといくらいまであったんだけど、雨で溶けてね。雨? うん、そっちも降ってるの? や、一回も。一回もか。

 

 

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